生物学となんとか 〜理系大学生の日常

理系大学生が生物学について綴る日記。レポートを書く人と自分のために。。。

生きたままの細胞小器官観察と制限酵素実験 レポート!

ここ3週間程度忙しく、更新が滞っていました。。。

先ほどの「土壌動物と環境」から2連投です!

 

今回の実験は生きた細胞内でのオルガネラ観察と制限酵素実験の二本立てでした。

 

オルガネラ観察の方は、あの有名なGFPともう一つ赤い蛍光タンパク質を使って①アクチンとミトコンドリア、②微小管とゴルジ体 を生きたまま観察しました。蛍光タンパク質が見つかるまでは細胞内の微小な構造を観察する手段は電子顕微鏡で観察するか、免疫染色という方法で観察するかしかありませんでしたが、下村修氏がオワンクラゲからGFPを単離し、それを組換えて動物細胞内で発現させられるような技術が発達すると、蛍光タンパク質による観察が可能になりました。この功績が認められ、下村修氏は2008年、ノーベル化学賞を受賞されました。

その後蛍光タンパク質はさらなる発展をとげ、現在ではあるイベントによって蛍光が変化するという性質を持たせた蛍光タンパク質まで開発されています。「カメレオン」と名付けられた蛍光タンパク質はCa2+の結合によって青色から黄色に蛍光が変化するもので、上述のタンパク質の先駆けになっています。

 

驚いたのはこの手の領域において、日本人の活躍が目覚ましいことです。先ほどのカメレオンを作製したのは理研にいらっしゃる宮脇敦史という方のようです。

やはり日本に生まれた以上は日本人の活躍は嬉しいものですね(^^)

 

このような最先端とも呼べるものに学部生のうちから触れ、学ぶことで新しい知識を入れられることを嬉しく思います。

 

 

もう一つの制限酵素実験は、プラスミドを制限酵素一種、二種、三種で切断して、それぞれ電気泳動し、サイズを見るというものです。高校のとき生物を学んだ方なら分かるでしょう、入試問題に頻出のあれです(笑)散々問題で見たことがあったのでとっつきやすかったですね。

実は電気泳動そのものは去年の実験でも行いました。その時は豚の肝臓から取り出したDNAを電気泳動したわけですが、RNaseを用いなかったせいかなかなかうまくいきませんでした。一方で今回の実験ではとても綺麗に分離されていました。

 

さて、そんな電気泳動の画像を見ていると数年前のあの事件が蘇ってきます。STAP細胞の話です。自分が大学に入ったのはあのあとだったわけですが、大学ではレポートの剽窃(ひょうせつ)、盗用(とうよう)はダメだとすごくうるさく言われます。自分はそういったことがないようにと「学術的文章の書き方」という主に参考文献の話の授業をとり、割と深く著作権に触れないよう注意しています。みなさんも気をつけてくださいね!

 

今回の実験をやって、思ったことがもう一つありました。TA(teaching assistant)についてです。実習では教授の出る幕は少なく、ほぼ全てがTAによって行われるわけですが、自分たちの班の担当だったTAの勉強不足が目立ちました。給料が出ているか出ていないかは知りませんが、TAたるもの、その名の通り教えることをするわけですから、十分に勉強した上で臨んでほしいものです。偉そうなことをいうようですが、自分もこの先TAをするようなことがあれば、十分に勉強して学生をあっと言わせるようになりたいと、今回の方は反面教師にするつもりです。

 

 

 

最後になりますが(恒例)、レポートなどの盗用犯罪です!同じようなレポートを書く方のために参考文献表をはりますのでそれらを参考にしてみてください!

 

・今回の参考文献表

 (細胞小器官) 

    • 中山広樹・西方敬人 著(2001年4月) 「バイオ実験イラストレイテッド ②遺伝子解析の基礎」 株式会社秀潤社 第1版第8刷
    • 東中川徹 他著(2015年8月)「ベーシックマスター 分子生物学」株式会社オーム社、改訂2版第3刷
    • GEヘルスケアジャパンホームページ「分光倶楽部マスターへの道第2回」(http://www.gelifesciences.co.jp/technologies/spectro/spectclub/master_02.html) 2017/05/24 閲覧
    • Promegaホームページ「Fugene®HD Transfection Reagent」(https://www.promega.jp/products/reporter-assays-and-transfection/transfection-reagents/fugene-hd-transfection-reagent/) 2017/05/25閲覧
    • Fisher scientificホームページ「Gibco™Opti-MEM™|Reduced Serum Medium」(https://www.fishersci.com/shop/products/gibco-opti-mem-i-reduced-serum-medium-6/p-4919917) 2017/05/25閲覧
    • Goda, N., Tenno, T., Inomata, K., Iwaya, N., Sasaki, Y., Shirakawa, M., and Hiroaki, H*. 2007. LBT/PTD dual tagged vector for purification, cellular protein delivery and visualization in living cells. Biochim Biophys Acta-Mol Cell Res 1773: 141-146.
    • Miyawaki A, et al, “Fluorescent indicators for Ca2+based on green fluorescent proteins and calmodulin” (1997) Nature (London)388:882–887.
    • Grienberger C, et al, “Imaging Calcium in Neurons” (2012) NEURON 73:5:862-885
    • Lohse MJ, et al, “Fluorescence/Bioluminescence Resonance Energy Transfer Techniques to Study G-Protein-Coupled Receptor Activation and Signaling” (2012) PHARMACOLOGICAL REVIEWS 64:2:299-336
    • Ando R, et al “An optical marker based on the UV-induced green-to-red photoconversion of a fluorescent protein” (2002) PROCEEDINGS OF THE NATIONAL ACADEMY OF SCIENCES OF THE UNITED STATES OF AMERICA 99:20:12651-12656
    • 尾張部克志 他編(2014年3月)「ベーシックマスター細胞生物学」 株式会社オーム社 第1版第3刷

制限酵素実験)

  • Clontech「細胞内局在化ベクター 説明書 pAcGFP1-Actin」 (http://www.clontech.com/xxclt_ibcGetAttachment.jsp?cItemId=17856) 2017/05/26閲覧
  • 中山広樹・西方敬人 著(2001年4月) 「バイオ実験イラストレイテッド ②遺伝子解析の基礎」 株式会社秀潤社 第1版第8刷
  • 東中川徹 他著(2015年8月)「ベーシックマスター 分子生物学」株式会社オーム社、改訂2版第3刷
  • 中山広樹・西方敬人 著(1999年11月) 「バイオ実験イラストレイテッド ①分子生物学実験の基礎」 株式会社秀潤社 第1版第7刷
  • 日本生化学会 編(2000年11月)「基礎生化学実験法4 核酸・遺伝子実験 Ⅰ.基礎編」 株式会社東京化学同人 第1版第1刷

今回の実験レポートは、手順等を実験ノートとして掲載する形になっています。

細胞小器官↓

制限酵素実験↓